続・蛇ヶ岳神行

日月神示

蛇ヶ岳でのご神行を無事終えた我々でしたが、私は下山直後から何か見落とした気になっていました。特にご神行の日にちを皆の都合で10月10日に安易に決めて良かったのか、という思いに駆られていたのです。その思いは強くなれど薄れることはありませんでした。そんな中11月に入ったばかりの頃、日月神示のことを思い浮かべていた時です。「あっ、かのととりじゃないか?」ふと思いました。急ぎ本屋に立ち寄り調べるとその年最後のかのととりの日が11月12日にあります。直観は神様からの直流と思い知らされている私はもう一度蛇ヶ岳に登る決意を固めていました。

再度の蛇ヶ岳は困難を極めました。当日早朝起床すると熱が38度近くありふらつきます。前日まで台風接近の大雨により登山道が川のようになっていました。熱のためか杖を忘れてしまい、現地で落ちていた太い枝を杖代わりにして登ります。(まるで仙人です) さらに履いていたトレッキングシューズの底が水の流れる道で酷使され、剥がれてきてしまいます。だましだまし歩きましたが、最後には左右両方の靴底が剥がれてしまいました。踏ん張りがきかなくなり、何回となく滑り、転びます。泥だらけになってのご神行となりました。靴底の布1枚と靴下のみのほぼ裸足に木の枝の杖という正に昔の修験者か仙人のようです。私には大神様からのお試しだったと感じられました。霜も降りた蛇ヶ岳で祭祀を行い下山すると嘘のように熱が下がって元気になっていました。ただ足の底は腫れあがり、傷つき、無残なありさまのため、しばらくまともに歩けませんでした。

     

この後、かのととりの日に祭祀を行うこととして翌年平成22年7月10日、4回目の蛇ヶ岳登山ご神行を行います。(一度で懲りたのか、皆さん一緒にご神行行ってくれませんのでいつも一人の行です) この時は雲が空を覆う天気でしたが、祭祀の最後に日が差し込んできました。見上げると頭上の雲にぽっかりと丸い穴が開いて周辺を照らし出し、その真中に私がいます。(直径百メートルほどの範囲) まるでスポットライトを用意していただいてるようです。異様なことに、標高1400mほどの高さですから周囲の雲の動きは速いのですが、見上げる雲に開いた穴は動かないのです。そして標高のせいか普段より雲が近くよく見えます。しばらく微動だにしなかった天空の窓(ちょっと詩的に表現変えてみました、お許しください)は、ふっと一度動き出したかと思うとぐんぐんスピードを上げ、地上に丸い光を引きずりながらあっという間に彼方に消えてしまいました。この現象の直前、祭祀場の下の登山道を蛇ヶ岳頂上方面から下ってきた登山者が熊除けの鈴を鳴らしながら一度立ち止まってから行ってしまうことがありました。もし、その登山者が振り返っていたら、さぞ驚かれたことでしょうね。ただでさえ急斜面に立って祝詞あげている人がいたのに、振り返ったら鬼の顔した岩に向かって対峙して天からのスポットライト浴びているんですから……(笑) この後も平成23年11月2日、震災後初のご神行では登山道口までの道路がようやく通れるようになっていましたが、登山道は倒れたブナの木が何本も行く手を阻み、登ったりくぐったりしながらも祭祀場に辿り着き神事をやり遂げました。この時いつも途中休息する三光の宮という岩場から降りる時、足を踏み出すと同時にバタバタバタと鳥が飛び立ったのです。正に日月神示の足許あしもとから鳥立つぞなのです。平成24年10月27日にはお山に踏み込むと数ヶ所に獣の糞や、見るからに熊が付けたであろう爪痕がブナの木肌に生々しく残っていました。そして神事を終えて下る途中、斜面の笹藪から不意に真っ黒な巨大な獣が目の前に飛び出してきました。万事休す、そう思いました。しかし5~6mくらいの距離ですっくと立ち止まったものはカモシカでした。驚くことに全身真っ黒なのです。それもこちらを見下ろす背丈です。(2m近くに感じました) もののけ姫に出て来る獣の目で射すくめてきます。微動だにせず行く手を遮る相手にこちらも一歩も動けませんでした。このお山の主は神様のお使いだなと感じ、自分の名と目的と、立ち入らせていただいたお礼を心の中で申し上げました。すると2,3分にらめっこしていたぬし
様はチラッと視線を逸らせると、あっという間に斜面を駆け下りて見えなくなったのです。このように蛇ヶ岳はその都度何らかの体験を返してくださいます。

 

さて、改めて日月神示に示されている蛇ヶ岳との符合についてみていきます。一目瞭然、この神のまことの姿見せてやる積りでありたが、人に見せると、びっくりして気を失ふかもしれんから、石にほらせて見せておいたのにまだ気づかんから……またそれが神の或る活動の時の姿であるぞ……と示されるままの顔岩があります。また、蛇が岳は昔から神が隠してをりた大切の山ざから、人の登らぬ様にして、龍神となりて護りて呉れた神々様にもお禮申すぞ。これはどうでしょう?宮城の蛇ヶ岳は船形山登山道から途中分岐して分かりにくく、分岐してすぐ崖のような登りがあり、ここは時に川や滝に見間違えるような箇所です。さらに蛇ヶ岳頂上付近は見通しが悪く、目的地としては魅力がありません。私が何度か登ってみた中、分岐路から蛇ヶ岳への登りの道を来る人はいませんでした。それに比べほとんどの人が眺望の開けている船形山山頂を目指します。そこから下りのルートに蛇ヶ岳経由を選ぶ方は複数人出会いました。つまり、蛇ヶ岳の山頂より草原箇所に下ってきて斜面の巨岩(顔岩)を見ても角度的にあの鬼の顔は見えないのです。下っていく中、右手前方に眺望が広がっていますから誰が振り返って斜面上の鬼の形相に気付くでしょうか。もちろん冬季間は雪に閉ざされ長期間入ることはできません。この点でも正に隠しておいた場所と言えます。そして最重要なことは、登山道途中に三光さんこうみやがあることが挙げられます。

三光の宮は仙台市宮城野区の青麻あおそ神社に起源を持ち、日の神天照大御神、月の神月読神、星の神天之御中主神の三光神を祀っています。つまり日月の神、そして元神を祀っているのです。                           蛇ヶ岳神行の折、必ずここに寄りご挨拶してから先に進んできました。さて、こちらの蛇ヶ岳が如何に大事な場所なのかご理解いただけたのではないかと思います。ここは日本の国のうしとら(東北)の方位で睨みを利かす顔岩を磐座いわくらとして祭祀場がしつらえてある日月の神と元神が護る聖地と言えます。

平成27年10月24日を挟み平成30年7月28日、8度目の蛇ヶ岳神行は台風接近で雨風激しい中で行いました。登山道途中で新しい鳥居を発見しました。鳥居しめはいらぬという大神様の意に添わぬものですが、平成最後でもあり8度目でもありましたので岩戸開きの型を神事にて行い、下山しました。鳥居が建てられたことでご神行の一区切りといたしました。(裏神業など神業の文字を使いますが、私の場合神と共に行うことであり、自らのぎょうでもある認識からご神行と書かせていただいています)

ここでの神事は「高山たかやますゑ 短山ひきやますゑのぼして 高山たかやま伊褒理いほり 短山ひきやま伊褒理いほりけてこしさむ」なのかもしれません……

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