9月に以前勤めていた会社からの依頼で屋敷神の祠撤去のお祓いと心抜きを行ってきました。 この会社は以前屋敷神の事で驚く体験をしており、教訓を得ていたからの依頼です。
皆さんは屋敷神のことを知っていますか? よく昔からの大きな家や、商売をしていた屋敷の敷地内に小さな祠を祀っているのを見たことありませんか? これが屋敷神です。 主にご祭神はお稲荷さんです。 お稲荷さんは宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)と申されますが、ご眷属が狐と広く知られています。 狐を家の中に入れることは出来ないと、家の神棚とは別に外で祭るようになったと聞いたことがあります。 たとえ外であろうと、ちゃんと専用のお宮を作りお祭りするのですから高待遇です。 その代わり運んでくるご利益も大きいとお聞きしました。 それだけ大きな力を持った神様(ご眷属)なのでお粗末にしたり、ご無礼を働いたりするとてきめんに障り(サワリ)となって顕れます。 そんなことを実際に体験した話です。
私がその建設会社に勤めていたある時、社長から陶器の破片を渡されて「いとーさん、これあるところの屋敷神さんの祠の屋根なんだが、先日の台風接近の大風が吹いた時、門扉が倒れて壊れてしまったので直して欲しいと依頼があったんだ、あなた担当して」と言われました。 そこやばいんだ、実は…と簡潔に事情を話してくれました。 数年前、その家の庭を大きく削る工事をすることになり、そこにこの屋敷神の祠があったのだそうです。 誰も拝んでいないから処分してくれと、祠を仮に退けておいていよいよ重機で土を掘ろうとしたら、エンジンが止まってしまいどうやっても動かなかったそうです。 さらに現地で使用していた電動工具も一切動かなくなったというのです。 これは屋敷神の祟りじゃないかとすぐ非礼を詫び、お祓いしてもらい丁寧に母屋の玄関先にお移しして祀り、ようやく工事が再開できたという体験をしたという話でした。 人間はとかく目に映る物にばかり気を取られます。 しかし目に見えない神様がそこにいらしゃるということが解りません。 目に見える神様がそこに静かにお座りになっていたとしたら、重機で向かっていったりしないですよね。 そのような事情で神主であるあなたしかいないとなったそうです。 屋根の修復をするまで仮の屋根を掛けて神様にお許しを乞い、無事に屋根を元通りに戻すことが出来ました。 そして、次に壊れた門扉を交換する時に私の目の前でそれは起こったのです。 門扉の古い柱を撤去するため、コンクリートの床を電動ピックという工具でハツリ(壊す)作業を始めた時です。 作業員のTさんが電動ピックの具合が変なんですと言い出したのです。 どんな風に?と問うと、動かしてみますねと、分かりやすいよう中空にむけて動かしました。 タタタタタタ、パーン‼と、何と空中でバラバラにはじけ飛んだのです。 電動ピック本体は手元にそっくり残り、たがねを固定する部分から先が一瞬で飛び散ったのです。 有り得ないことでした。(電動ピックを使った経験があればお判りになると思います) ただ、驚きましたが部品が四方に飛び散った割に人は無傷でした。 この時、これは祟りや障りではない、と強く思いました。 工事を始める前に屋敷神様には簡単な供物を供え、祝詞を上げていましたし、傷つけようとしたならいくらでも傷つけることが可能だったのですから。 私に対してのメッセージだ、すぐに理解しました。 屋根の修復の時祠の中が埃まみれで、お祀りされてないなあと残念に思っていたのです。 改めてしっかり供物を上げてお祀りさせていただきますと屋敷神様に申し上げ、後日家主のご主人と祭祀を執り行わせていただきました。 ご主人も今後しかっり拝ませていただきますとおっしゃられました。 屋敷神様はその家を守りご利益を運んでくださる、大変お力の強い働きをされます。 くれぐれもお粗末にならないように気を付けたいですね。